「モテない原因を解決する」という 発想からの脱却が大事?

異性からモテるには?

・自分がモテるようになるためには何をするべきか、思いつくだけリストアップ。
・今までに出会った「絶対に恋することはないだろうな」と思う異性を1人イメージし、彼女に対してそう思った理由を思いつくだけリストアップ。

・男女を問わず、自分の知る限り最も自然と異性にモテる人を1人イメージし、その人の性格について思いつく限りの特徴を挙げる(口説くのが上手い人、誘惑するのが上手い人は除きます)

自身を含む多くの人は、これまで「モテるためにはどうすれば良いのか」という問題に対して、何度も考察を行ってきました。

人生で少なくとも一度や二度、たとえば片思いの女性にふられたときや、バレンタインデーやクリスマスといった日に特に何の予定もなく帰宅するときなどに考えたことはあるのではないでしょうか。

それでは、この問いに対してこれまでに出したことのある答えはどのようなものでしょう?
ある人は、外見をオシャレにしてみればいいと考えたかもしれませんし、ある人は、上手に女子を口説くための会話術を身につけようと思ったかもしれません。
さらにある人は、とにかくお金持ちになろうと思うかもしれません。

これらはすべて、ある程度は正解ですが、パーフェクトな答えというわけでもありません。
オシャレで会話上手な男性を「チャラそう」 と回避する女子もいますし、逆にまったくオシャレでも会話上手でも お金持ちでもないのに、なぜかモテている男子、というのも少なからずいます。

ここで重要なのは、モテない男子が「モテるにはどうすれば良いのか」と考えるとき、しばしば陥りがちな落とし穴として、自分がモテない理由をリストアップした上で、それらを解決すればモテるのではないかと考えてしまいがちであるということがあります。

自分はなぜモテないのか、考えてみればいくらでもハンデになり得る原因は見つかることでしょう。
服のセンスに自信がない、身長が高くない、オシャレなお店に行き慣れない、気の利いたジョークで人を笑わせることができない、肌が汚いなど、鼻が高くない、太っている、顔がイケメン、得意な事がないなど。

多くの人はテレビの中で見る芸能人などと比べてみると、あまりにもモテにくいようにできているように思えます。

ですが、逆に考えてみましょう。
もし、「何となく好きになれない異性」が、その「好きになれない理由」をすべて解決していったところで、果たしてその人に恋をすることはあるのでしょうか?

弱点を補うよりも強みを活かそう

みなさんがイメージした「絶対に恋することはない」であろう異性のことを思い浮かべてください。
そしてリストアップし、「好きになれない理由」を1つひとつ否定する文章を書いてください。
さらに、その横に「好きになれない女性」の名前を書いてみましょ。

たとえば「食事の作法が下品だから」「時間にルーズだから」という理由で好きになれない女性のことを想定したのであれば「食事の作法が上品で時間にきっちりとした女性」と書きます。

そうしてみてから新たに好きになれない理由を思いついたとしたら、それも追加して、さらに否定する文章を重ねてみてもかまいません。

その上で、果たしてそのような女性に自分が好意を持つのだろうかと考えてみます。

きっと多くの人は、そうやっていくら「好きになれないところ」を打ち消したところで、好きになれるような気はしてこないのではないでしょうか。
あるいは、そもそも「好きになれない理由」なんて明確なものは浮かばないのではないでしょうか。

人間の心に関する問題は、「ネガティブな要因を解決すること」が、必ずしも「ポジティブな方向へ進むこと」とは一致しない場合が多いのです。

実は心理学においても、近年そのような発想の転換が起こっています。

心理学はここ半世紀というもの、うつ病や統合失調症、 アルコール依存症といった『心の病」だけに注目し、その研究に取り組んできました。
その結果、それぞれの症状の特徴、進行状況、さらには発病の原因が、かなりの精度で解明されました。

このように、これまで順調に進展してきたかに思える心理学も、一方では高い代償を払っています。
それは、患者に生きがいを与えることを重視してこなかったため、症状こそ和らいでも、患者はみじめな人生を送っているという現実である。

人は弱点を補うだけでは幸せになれない

自分自身のマイナス5の部分をマイナス3にするための方法をあれこれ考えて、日に日に悲惨な状況におちいっていくよりも、プラス2の部分をプラス7に ステップアップする方法を考えたほうが、人は幸せになれます。

そのような意味で、これまでの心理学は少しでも幸せになりたいと願う普通の人たちとは、違う学問でした。

こうした発想の転換から、「どうすれば人間は幸せになれるのか」を科学的に明らかにしようとする立場の心理学、すなわちポジティブサイコロジーという新たな科学がさかんに研究されるようになっています。
幸福のパラドクスは、お金があっても幸せにはなれません。

「モテるためにはどうすれば良いのか」という問いについて考えてみましたが、同様に「幸せになるためにはどうすれば良いのか」という問いについて、どのように考えるでしょうか。

素朴な考え方としては「経済的に裕福になれば人は幸せになれるのではないか」という仮説がありますが、これは果たして正しいのでしょうか。
愛に恵まれる人生の手に入れ方について知る必要があります。

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