男女の考え方や行動の違いは、男女の性戦略の違いによるものと考えられます。
2013年に相模ゴム工業株式会社が行った調査「ニッポンの営み」が発表されました。
その結果を見ますと、男性の36.9%、女性の26.3%が、結婚相手や交際相手の他に営みをする人がいるとしています。年々上昇しているそうです。つまり、不倫や浮気中であるということです。
スマホなどの影響で出会いの数が増えたのも影響があると思います。
人間は、なぜ浮気をするのでしょうか? この課題は、進化心理学で研究が進んでいます。
そこで、進化心理学の立場から、男女の性戦略の違いについての考え方をご紹介します。
ヒトの配偶システムは一夫多妻
ペア外交渉(浮気)は、人間のDNAに埋め込まれているようです。 人類学者のマードックが、世界849の様々な文化の配偶システムを調べました。する と、83%が一夫多妻(広い意味での浮気)で、一夫一妻は16%、一妻多夫は1%であったと言います。
つまり、「人間の配偶システムは一夫多妻」ということになります。日本でも、かつては大名など正室と側室という制度がありました。
一方、一夫多妻の特徴を持つ動物のグループと一夫一妻の特徴を持つ動物のグループ を比較すると、ヒトの配偶システムは一夫一妻に近いということが分かっています。
* ヒトは、一夫一妻から一夫多妻に変化してきたと言えるのかもしれません。この理由 は、農耕により富裕と貧困という富の偏りが生まれた結果だと説明する研究者がいます。
子孫繁栄のための男女の性戦略の違い
人間は、なぜそんな仕組みを手に入れたのか?その理由の1つには、生物学的な特質 があるというのです。動物には、種の保存・子孫繁栄という命題(本能)があり、でき る限り多くの子供を産み、元気に育てる必要があります。
オスの性戦略
動物のオスは、多くの子供を得るために、できる限り多く交尾をして、メスを妊娠さ せ出産させるという本能があります。そのため、例えばセイウチやゴリラにも見られる ように、多くの配偶者を求め一夫多妻制の仕組みになっています。1匹のオスが多くの子 供を持つためには、多くのメスを従える必要があるからです。
メスの性戦略
また、特に哺乳類のメスは子供に母乳を与えて育てなければならず、育児にかかる時 間は膨大で、その間、子どもを守るためにハンデを背負うことになります。そのため に、強いオスに守ってもらうということになります。
ただし、進化心理学的には、メスにおいても優れた遺伝形質の獲得のために、配偶者 外交渉(浮気)があるとしています。上述の相模ゴム工業株式会社調査結果でも、女性の不倫や浮気も少なくありません。
このような男女の性戦略の違いが、男女の思考や行動の違いになっているというのです。
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