人を愛するのは何故?不思議な恋の感覚はホルモンが原因?

「恋というものは、不思議なものなんだ」 昔の歌謡曲の一節です。
このような不思議な経験をされた方も多いはず。恋の衝動 は、どうしようもないものです。

人間は、自分の子孫を増やすために、多くの子供を獲得しなければなりません。これ らの生殖行動を支配しているのが、様々なホルモンです。

人の愛の衝動・行動はホルモンによるもので、恋をするとホルモンの働きで様々な不思議な経験をするのです。

媚薬PEA

媚薬と呼ばれるPEAという、一気に恋に落とすホルモンがあります。 恋に落ちると、胸が切なくなり、食べるものも喉を通らなくなります。 PEAが分泌されると、恋愛特有の症状が起こりますが、この症状はPEAの働きによる ものです。

男性を惹きつけるフェロモン

動物では、妊娠の用意ができたメスは、フェロモンというホルモンを出してオスを誘 います。人間の場合も、成熟した女性はフェロモンを発散します。フェロモンを感じた 男性は性的に興奮します。

フェロモンは、女性ホルモンのエストロゲンの分泌と関係があります。エストロゲン は、成熟した健康な女性で分泌され、女子力をアップさせます。フェロモンとエストロ ゲンを分泌させるには、バランスの良い食事や正しい生活習慣を心がけることが大切です。

抱きしめホルモン・オキシトシン

オキシトシンは、抱きしめホルモンとも呼ばれ、愛が高まった男女では、「オキシト シン」が分泌され、好きな人を抱きしめたいという欲求を起こさせます。恋をすると、 相手が愛しくて包み込みたくなるのは、このホルモンのせいです。

性行動を促進するテストステロン

テストステロンは、性行動を促進する男性ホルモンで、オキシトシンが働き、男性が 女性を抱きしめるとテストステロンが分泌され、性行動を促進します。 – 女性も微量ですが、テストステロンを分泌します。女性が熟年になり女性ホルモンが 劣勢になると、相対的にテストステロンが優勢になり、性的に積極的になります。

ハッピーホルモン・セロトニン

スキンシップやキスをすると、ハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されま す。セロトニンが分泌されると、幸福感を感じさせ、精神が安定する効果があります。 営みやキスの後に、幸福感と満足感を得られるのは、このホルモンのおかげなのでしょう。

営みがクセになるドーパミン

営みをすると快感が得られクセになります。その仕組みは、営みをすると、 脳内モルヒネと呼ばれるエンドルフィンという脳内物質が分泌され、それが脳内の報酬 系という部分で快感物質ドーパミンという脳内物質の分泌を促進し、快感となります。

その結果、脳が快感を得たいために、クセになるのです。
恋愛による衝動は、ホルモンによるものだとご理解いただけたと思います。

愛してしまう心理

人間は、自分を喜ばせてくれる人が大好きです。 例えば、貴方が窮地に陥った時に手を差しのべてくれた人には、好意を持つことでしょう。

また、貴方の話を聞いてくれる人や、コミュニケーションをしていて楽しい人に も好意を持ちます。 人間は、自分のことを気遣ってくれる人や喜ばせてくれる人に好意を持つものです。

このように、恋人の喜びを高めることが、好感度を高め、愛されることにつながると いうことです。この考え方が、恋愛心理学の中心思想となっています。
嬉しいことをしてもらうと好きになってしまう理由について説明します。

強化-感情モデル

強化一感情モデルというセオリーがあります。人を好きか嫌いかという認識は、相手 と接している時の感情によって、左右するという理論です。簡単に言えば、気分の良い 時に会った人には好意を持つことになります。

提案が通った時、商談がうまくいった時、上司に長められた時などに、愛の告白やデートを申し込むと相手から受け入れられ やすいということです。

ちなみに、天気と気分には相関関係があります。晴れの日には気分が良く、雨の日に は気分が悪いという研究結果があります。雨で気分がすっきりしない時に、「今日は雨ですね」というと、機嫌が治るということです。

好意の返報性

人は他人から何らかの好意を受けると、お返しをしなければならないという意識を抱きます。

例えば、お中元やお歳暮のやりとり、結婚式のお祝いには引き出物、バレンタインデーにはホワイトデーなど、自分たちの生活の中に、この心理が生きています。こう した心理を、「好意の返報性」と言います。つまり、好意を示してくれたお返しに好意 を持つということです。

「好きだ」という意思表示をすると、その好意に相手は喜びます。そうすると、相手の 好意の返報性にスイッチが入り、お返しに好意を持ってもらえるのです。

オペラント条件付け

イルカや猿などに芸を仕込む時に、うまくいったら餌を与えます。
「芸をしたら、餌 がもらえる」ということを学習させるわけです。
心理学では、このことを「強化」とい い、この場合の餌を「賞」と言います。ある行為をして賞が与えられると、その行為を 繰り返すようになります。

これがオペラント条件付けです。オペラント条件付けは、動物だけではなく、教育や 介護の現場などで広く人間にも応用され、効果を上げています。この場合、賞としては褒め言葉が利用されます。例えば、先生に褒められると、その教科が好きになり勉強するようになります。

これを恋愛にも応用すると、相手が喜ぶようなことをすると、それが賞となり、好ま しい思考・行動(好感度がアップ)をするようになります。

以上のように、 相手を想う言動→相手の喜び⇒好意の獲得 というプロセスが働きます。相手から愛されることばかり考えることなく、相手のため になることを行うことが、重要だということになります。

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